在デトロイト日本国総領事館
松田邦紀総領事からの手紙
本年2012年は、当時の東京市が米国の首都、ワシントンD.C.に桜を3,000本寄贈してからちょうど100周年になります。
1912年当時、ワシントンD.C.のポトマック河畔を美しくしたいと考えたタフト大統領のヘレン・タフト夫人、親日家であり同夫人に桜植樹を進言した紀行作家シドモア女史、ニューヨーク日本人社会のリーダーであり寄贈のイニシアティブをとった高峰譲吉博士、国際派の尾崎行雄東京市長など、日米友好関係の発展を心から願った官民の様々な方々によって、約3,000本の桜が米国へ送られました。
この「オペレーション1000チェリーツリー計画」による桜も同様に、米国、特にオハイオ州デイトン市を中心とした地域と日本との友好関係の更なる発展を祈って提案されています。同時に、昨年3月11日に起きた未曾有の震災、東日本大震災に際し寄せられた多大なる支援と励ましに対する感謝の意を表する意味も込められています。
デイトン市のあるモントゴメリー郡は、日系企業13社が約1,900名を雇用している日米の経済関係が緊密な地域の一つです。また、航空・宇宙関連業が盛んなこの地域は、今後、ますます日米経済関係の要になっていくことでしょう。デイトン市周辺の大学においては、ライト州立大学を筆頭に3つの大学が日本語講座を提供しています。将来、日米関係を担うであろう次世代の若者が着実に育っています。また、デイトン市は、進出した企業をきっかけに、1968年、神奈川県大磯町と姉妹都市提携を結びました。オハイオ州の中で最も日本との姉妹都市関係が長く、市及び草の根レベルで良好な関係を築いてきています。
こうした強固な経済関係や日本語教育、草の根交流などを通じて良好な日米関係が築かれている中、本計画による桜は、日米の絆を象徴し、また、更に深めていくことになると思います。
最後に、本計画に尽力される、ロバート・タフト名誉会長及びアレックス・原会長を始めとする委員会の方々に対し敬意と謝意を表します。
本計画のご成功を心からお祈り致します。